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先日、毎日進聞に佐々木泰造という方が「春過ぎて・・・」の歌の解釈を載せておられました。
従来はこの万葉集の持統天皇の歌は、眼前の風景を素直に読んだ叙景歌で、香具山に白い衣が干してあって、夏を感じるという風に、解釈するのが主流でした。
しかしそうではなく、
香具山にかかっていた春霞が消え、青空に夏雲が浮かび、あたかも天上の神が白い衣を干しているようだ。という解釈をされていました。
686年夫の天武天皇を亡くし、689年には天武との間に生まれた世継ぎの草壁皇子も亡くし、涙でぬれた喪服(白い衣)を干すことは愛する人を失った悲しみを乗り越えて進もうといする強い決意を表していたのだろうということです。
従来衣が実際に干してあるとすれば、藤原京から果たしてその衣が見えるか?ということも疑問が呈されていました。もちろん、神聖な香具山に誰が干すのか?どうして北西側に干すのか?といった疑問もありました。
しかしこの解釈だと実に素直に納得できます。持統天皇の気持ちも良く解釈できます。
ということで以降、この歌の解釈はこれで行こうと私は思います。
改めて思うに、歌の解釈は単にその歌を見て解釈するだけでも、もちろんいい歌はそれでもなお力を持っていますが、背景を知ることによって一層その歌の深みが増すものですね。
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