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日本書紀をながめています。

中臣氏の名前を探します。

6世紀欽明天皇13年(552)、百済の聖明王が仏像などを献上した時、天皇が群臣に礼拝すべきかどうか問うたとき、

蘇我大臣稲目に対し、物部大連尾輿と共に反対したのが、中臣連鎌子です。

鎌足とは別人物です。

敏達14年、疫病が流行した時、物部守屋と共に仏教信仰を建つべしと奏上、用明2年にも仏教信仰に異を唱えた人物、

中臣勝海です。

そして同じ敏達14年、蘇我馬子が病気平癒のため仏教信仰を願い出た時に反対したのが中臣磐余です。

中臣勝海は蘇我氏の家来(太子伝暦には太子舎人とある)迹見赤檮によって殺されます。

この鎌子と勝海は前に書いたように、中臣氏系図に名前がありません。

磐余は黒田の子、常盤の弟に伊礼波とあり、同一人物の可能性があります。

この3名は物部氏と共に蘇我氏に対抗し、仏教の受容に反対しています。

中臣氏の家職から言って当然と言えます。

そして、ともに反対にまわった物部、三輪氏は武甕槌神とゆかりが深い氏族です。

この事も書けばきりがありませんので置いておいて、ともかく、鎌子、勝海はその当時の中臣の宗家であったと考えて間違いがありません。

で、勝海が殺され、仏教受容の争いで物部氏も滅ぼされます。

中臣氏も当然滅ぼされたと考えて間違いありません。

その後、日本書紀に名前が出る中臣氏は舒明期の中臣御気から鎌足までありません。

ただ推古天皇の時、中臣宮地連鳥麿呂と言う人物が、書紀に登場します。

用明、推古の母、堅塩媛の葬儀に蘇我馬子に代わって誅(しのびこと)を奉っています。

蘇我氏に重用されていたようです。

この宮地と言う名前は後に意外なところで出てきます。

長屋王の謀叛を密告して、その時無位から外五位に取り立てたれ、後に長屋皇の家臣に殺された人物です。

と言うことは、この中臣宮地はその後はあまり出世しておらず、中臣氏のなかでも傍系だったと思えます。だからこの宮地は無視してもいいかと。

 

そして、中臣氏系図には中臣氏は中臣黒田より始まると書かれています。

常識的に考えて、勝海の代でその時の宗家は滅びて、代わって黒田系の中臣氏が宗家になったと考えて間違いありません。

そして黒田から3代目、御気が書紀に登場します。御気はすでに政府高官です。

宗家の入れ替わりがあって、黒田系の中臣氏が徐々に中央で力をつけてきたということでしょう。

そしてその子が、鎌足。当然反蘇我氏です。

 

前に書いたように、黒田は河内の豪族塩屋氏と姻戚を結び、畿内の置ける一歩を踏み出します。

その時点で、中臣塩屋連と言う復姓だったかもしれません。

この中臣塩屋氏には枚夫と言う人物がいて山背大兄皇子を攻める主要メンバーに入っています。

つまり、蘇我氏に近いわけです。

このころ黒田系は塩屋姓を捨てます。

枚夫の子と考えられるコノシロも中臣姓を捨てそれぞれ道を違えます。

コノシロはやがて有間皇子に味方し、鎌足と敵対し殺されます。

以上が、私の考える中臣氏の歴史です。

大筋間違いはないと思います。

鹿島の中臣氏が畿内に出て来て、足場を築く本は塩屋氏であっただろうと言うのも間違いないと思います。

でも肝心の、黒田が鹿島出身である証明はできません。

大きなウイークポイントをまだ残しています。

 


 



 


 

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