12月13日付の読売新聞奈良版でもアカダマ閉店を取り上げていただきました。
街の片隅の小さな喫茶店の閉店を、こうして取り上げていただけるのは、とてもありがたいことですが、不思議な気がします。
ただただ、家業を継ぎ店を大きくも出来ず、特別ユニークな話題を提供できたわけでもなかったのですが、何故か閉店を惜しむ声が多く寄せられて、逆に反響の大きさに戸惑う毎日です。
とにかくもう残り、7日間。
名残は惜しいですがよろしくお願いします。
喫茶50年「役割終えた」
香り、語らい 奈良のサロン
奈良市内で50年以上、こだわりのコーヒーを淹(い)れ続けてきた喫茶店「可否茶座(コーヒーちゃざ)アカダマ」が25日、店を閉じる。クラシック音楽がかかり、常連客が持参した国内外の土産が並ぶ店内で、「みなさんから愛され、本当に幸せだった」と語るのはマスターの大槻旭彦(てるひこ)さん(66)。厳選した豆を手回しの焙煎(ばいせん)機で煎り、サイホンを使った香り高い一杯を最後まで出し続ける。(白石佳奈)
東向商店街にあった「アカダマ薬局」で1954年、父の陸朗さんがコーヒーを出したのが始まりで、57年、専門店になり、文化人らが集まるサロンに。一杯60円と、当時のうどんより10円高かった。
65年、現在の小西町に移り、72年、商社マンだった大槻さんが跡を継いだ。写真家の入江泰吉さんや東大寺別当だった北河原公典さんらは常連。北河原さんは「平凡さの大切さ」を語り、「店に、奈良のものがないね」と、東大寺のお守りを持ってきてくれた。「お客さんと話すのが楽しくて」。大槻さんは懐かしむ。
近年は店の人と語らう喫茶店は減り、カフェやチェーン店が進出してきた。アカダマにも携帯電話の画面ばかりを見て、大槻さんと話さない客が来るようになった。年を取り、疲れを感じる日が多くなって、「店は役割を終えた」と思った。昨年末、店をたたもうと決心した。
今年4月に閉店の看板を出したところ、往年のファンらが次々に訪れるようになった。営業日には懐かしい顔ぶれがそろう。「コーヒーで茶色くなった竹のスプーンでかき混ぜるのが好きだった」「奈良に行ったら必ず寄っていました」。手紙も届く。
25年以上通う会社員の男性(56)は「社会人になったばかりの頃は、仕事の悩みも聞いてもらった。いつ来てもホッとする場所だった。時代の流れとはいえ寂しい」と惜しむ。
大槻さんは「店はなくなるが、みなさんの記憶に残るならこれ以上、うれしいことはない」と感謝する。ブレンドコーヒー420円。営業日は17~19日と22~25日。問い合わせは同店(0742・26・4478)。
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