category:From マスター
11月の演奏会が終わったら稽古はおん祭一色。
とりあえず、道楽の曲を暗譜しなきゃいけない。
なんでも神様を若宮の本殿からお旅所までお送りする道中ずっと楽を吹き続けるらしい。
夜中に歩きながら吹くんだから、当然楽譜なんて見れないので、全部覚えないといけないから大変。
そのほかにも舞楽がいっぱい演じられるから、その伴奏も練習しないといけない。
でも、まあ私はみんなの後ろからついていけば良いから。
私は今回が初めて、見るもの聞くものが物珍しいばっかり。
早いものでまだまだと思っていたのに、16日になった。
16日の夜に寿月館という建物に来るように言われた。
どうやら、私もメンバーには、入ってるようで一安心。
山中さんと待ち合わせて、8時半頃寿月館に到着。
「今晩は」
恐る恐る入り口の戸を開けたら、もう何人かの人が座っていた。
「おお来たか、寒かったやろ、こっちへ来て火にあたり」
篳篥の宮本さんが席を譲ってくれて、囲炉裏のそばへ座らせてもらえた。
この建物は板敷きで、天井は高く、部屋の真ん中に囲炉裏がきってあった。
その囲炉裏には鍋がかけてあって、おいしそうなにおいが。
「どや、ちゃんと譜、覚えたか?」
「まあ、多分」
「乱声も覚えてきたか?」
「え!!乱声って」
「お迎えにきったら、まず乱声を吹くんや、今からでも、覚えとき」
え~、そんなの聞いてない。道楽は聞いてたから一生懸命覚えたけど、乱声なんて・・・
えらいこっちゃ、大急ぎで譜面を開いて、山中さんと練習、急ごしらえも良いとこ。
でも、そんなの無理、とてもじゃないけど、頭には入らない。
「さ、笛のもんは先に食べとき」
ということで、おにぎりと、さっき囲炉裏にかかっていた鍋のかす汁が振舞われた。
おかずは沢庵だけ。
でも、これがおいしい。大きい鍋で炊き込まれたかす汁は、家のなんか比べもんにならない。
と、「し~」
うん?外に誰かが来たみたい。
何か声が聞こえる、だんだん近づいてきた。
順番に声をかけて行ってるみたい。
私たちの待機してる寿月館の前で足音が止まった。
「は~い。初度の乱声お頼みもう~す」と三度繰りす。
そして、中にいてる私たちが「お~」と答える。
なんか時代劇みたい、ちょっとかっこいい。
楽頭の安倍さんが、「そしたらいきましょか、よろしく」とおっしゃって腰を上げたのを合図に皆が表へ出た。
と言っても、皆じゃなくて、笛方だけ。
乱声は笛と太鼓だけだから、楽頭と太鼓の越家さんと、笛の10人ほど。
これから始まることは、若宮の神様をお迎えに行って、お旅所まで移っていただくんだけど、なにせ神様に移っていただくわけだから、最高の礼をつくさなきゃいけない。
そこで、お迎えの乱声を三度吹いて,三度目にやっとお出ましになるということだ。
で、今回がその最初のお迎えの乱声。
今年はまだ暖かい方だと言うけど、12月の半ばを過ぎて、しかも夜11時近い今は、かなりの冷え込み。
建物を出ると、さすがに寒い。
思わず身震いがしたけど、寒さだけではないかも。
いよいよ、おん祭デビュー。
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