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こうして「イスラムのワイン」と呼ばれたコーヒーを、キリスト教社会が簡単には受け入れるわけには行かないのは当然です。
しかしこれも、コーヒー好きだったローマ法王クレメンテス8世がコーヒーに洗礼を施して、キリスト教徒の飲み物としての資格を付与することにより、ヨーロッパでの市民権を獲得したのでした。

コーヒーの普及に関してはこうしたいろんな政治的、あるいは宗教的な障害が立ちふさがりましたが、茶の歴史はきわめて温和です。
18世紀にはイギリスを中心とする世界貿易の中に組み入れられ、コーヒーよりはるかに大きな経済的役割を果たすのですが、その間、宗教的問題になったことは1度もありません。
中国のアヘン戦争の原因になったり、アメリカのボストンティーパーティー事件からアメリカ独立戦争が始まったような政治的事件はありましたが、コーヒーのような教理問答があったり、処刑者がでたりという血なまぐさい話はいっさいありません。

その上、茶については徹底的といえるほど、沢山の文献的記録が残っています。
コーヒーについては文献は少なく、歴史のほうも考証的に頼りないものです。
つまり、茶のほうが文化的な香りは高く、コーヒーのほうは殺伐な話も多く、茶とコーヒーは、文と武。女性的と男性的。
また地域的にも茶が東アジア的、コーヒーは西アジア的。
茶は中国西南の山地。
コーヒーはアラビアの乾燥地帯。
茶を愛好してきたのは、中国、日本の農耕民族。
コーヒーは中近東の遊牧民。
前者は穏やかな多神教文明圏、後者は戦闘的な1神教文明圏という風に、なにかと際立った対比を示します。
「コーヒと紅茶」どちらを好みむか?
所詮嗜好の問題ですが、その成立には、このような際立った違いがあったということを知っておくのも、話の種にもなりますし、それぞれを味わう感慨もまた違ったものになるかもしれませんね。


ミニヒストリーは以上で終わります。
次はコーヒー紅茶の味わい方につぃて書きたいと思います。

参考文献:「コーヒーが廻り世界史が廻る」臼井隆一郎著
     「茶108章」角山栄監修
     「コーヒーマイスター:テキストブック」
         スペシャルティコーヒー協会
     
     他多数
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