category:From マスター
歴史はよく川の流れにたとえられます。
歴史は常に流れてとどまることはありません、個人の偉大な力で止まって見えても、流れの中では一瞬のことです。
天智天皇は、その治世は続くと思っていたでしょう、でも天武にとって代わられます。
天武天皇も藤原京を永遠の都として考えていたでしょうが、わずか十数年で平城京に変わります。
藤原不比等もあれだけの天才を持ってしても奈良の都が80年しか続かなかったとは考えていなかったでしょう。
国家100年の大計とよく言われますが、実際問題として100年先など誰にも読めるはずがありません。
所詮個々人が精一杯努力して自分の時代、せめて孫に時代まで描ければ良しでしょう。
持統天皇は決して天武の血筋を永遠に残そうと努力したわけではありません。
自分の腹を痛めた我が子、その子が死ねばその子をなんとか皇位に就けたい、その思いがすべてでした。
そしてその思いを、元明、元正天皇が引き受け、聖武天皇までリレーします。
聖武天皇は言わば上がりです。その先は何もありません。
そして、聖武天皇は皇太子に阿部内親王を就けます。
当然皇位は途絶えます。それでも、光明皇后は持統天皇と同じく我が腹を痛めて子に皇位を継がせたかった、犬養広刀自の子たる安積親王にはだけは絶対継がせたくなかった。
ここには、国家のこと、皇位のことは頭にありません、その先は誰か考えればいい、なんとしても我が子を皇位に就けるその1点です。
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