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標記のテーマを調べていると、10年前に奈良大学で平安文学で
提出したレポートを思いだしました。
もう10年近く前になってしまいましたが、今読み返してみると,
この時は提出しなければ単位がもらえないということで、
義務的に書いたのですが、結構内容は良いことが書いてありました。
10年たって今ようやく理解が進みました。
平安時代の文学を読むにさいして、婚姻制度の理解なしでは誤解してしまう。
平安時代は決して一夫多妻ではなく。あくまで一夫一妻制である。

そして正妻の話は恋愛物語の主人公にはならないこれが前提です。
そもそも正妻というのは、親同士が決めるもので、
上流貴族の男は元服時に親が決めた結婚をするので、
恋愛感情を持つようになる青春時代には既に妻がいて、
恋愛の対象はおのずと妻以外の女性となるということです。
例えば「蜻蛉日記」を書いた道綱の母は正妻ではなく妾です。
「和泉式部日記」を書いた和泉式部は敦道親王の召人です。
そして源氏物語はヒロインである紫の上が正妻でないことから
話が展開します。
若い女性に男が近づかなければ話が展開できません。
若い女性が正妻では結果は悲劇的にならざる得ないわけです。
源氏物語では光源氏は12歳で左大臣の娘である葵の上と
親同士が決めた結婚をしています。
このままでは若紫は決して正妻になれません。
これが源氏物語を読む上でのポイントです。
 そこで話は、正妻である葵の上の死となり、その死に関して
 六条御息所が、物の怪として登場し葵の上に憑りつき
死に至らしめます。
その六条御息所も紫の上の邪魔になっていけないので、伊勢にさります。
同じように朧月夜の君も遠ざけられます。
その他、夕顔、空蝉は、いきずりという扱い。
こうして次々と登場する女性は決して、紫の上のライバルにはならず
消えていきます。
そして、女三宮が正妻はいない(紫の上は正妻ではない)光源氏に
降嫁してきます。
光源氏の愛情だけが頼りのはかない紫に上は
こうして、いつも不安な立場に立たされ続けます。
源氏物語を読むポイントは、このように正妻でない紫の上の立場を知らなければ
理解が深まりません。

参考文献『源氏物語の結婚』中公新書   工藤重矩
    『平安朝の結婚と文学』風間書房 工藤重矩
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