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今回のテーマは「東大寺山堺四至図」を見ながら、そこから浮かび上がる疑問点などについて、講師の松田さんより最初にお話がありました。

資料としては奈良女子大学所蔵、摸本。奈良市史掲載の釈文、「春日野の神地と氷池」大宮守友『奈良氷室』NO。5等を参考にしました。

この会は一方的な講演では決してなく、何時も徹底した質疑応答に時間をとり、話を進めていくのが大きな特徴です。

今回の中心はここに記載された「神地」の解釈についてです。

たたき台としては。私の卒業論文「春日社成立の諸事情」でとりあげた神地の解釈。

春日社の社殿成立前の、原春日社。がそこにあった。

こう云ったことを討議しました。

 

ようするに現在、春日若宮おん祭りのお旅所に見られるように、区切られた神域があり、祭儀にあたって社が作られ、それが終わればまた取り壊されるような、神聖な区画の空地(建物はない)であろう。

あるいは。氷室神社宮司の大宮守人さんの説で氷室神社の旧社地とも。

昭和52年に春日顕彰会より発行された『春日大社奈良朝築地遺構発掘調査報告書』記載の築地はそれを取り囲む築地であろうということの解釈を巡ってです。

 

松田先生からは、志貴の皇子が追贈された称号春日宮天皇に注目して、この皇子の皇子宮の可能性についての提案がありました。現在の白毫寺がその場所か

もうひとつ聖武天皇の高円離宮(万葉集巻20-4506~4510)の歌謡に読まれている。と言った可能性について。解明にはまだまだ調査が必要である。
この稿続く

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