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今回は多聞城についての話を、講師に北村氏をお迎えして伺いました。
ソムリエ的な知識では、現在の若草中学に多聞城と言う松永久秀が築いた
中世の城があった。
そして、そこに築かれた多門櫓が近世の城郭建築の先駆けとなった
という程度の知識しかありません。
講師の北村氏は教員であった時代に若草中学にも長年赴任されていたとか。

その多聞城についてどんな話が聞けるか大変楽しみでありました。
私自身は若草中学のこの階段の下までは行ったことはありますが
中には立ち入ったことはありません。

まず多聞城を築いた松永久秀とはどういう人物であったかと言うところから
話は始まりました。


戦国三大梟雄」と言う言葉があり、日本の応仁の乱後の戦国時代に悪行・悪名をとどろかせた戦国 武将「北条早雲」「斎藤道三」「松永久秀」を主に指し、そこに「宇喜多直家」も加える 場合も有りますが、とにかくその評判はあまり芳しいものではありません。

その理由は主に江戸時代の朱子学により定着した武士の道義に基づいたものですが、
その倫理観は戦国時代共通にものではありません。

むしろ、戦国時時代を生き抜いた稀代の才覚は今テレビで放映中の真田昌行を
凌駕するものであったと言えるでしょう。
久秀は30歳ごろまでの前半生は全く分かっていません。
そのことは逆に大した出自ではなく
己の才覚だけで戦国大名にまで上り詰めたことの証でもあります。

なればこその悪評であり、信長もおそらくその才を評価するとともに恐れたのかもしれません。

こうした内容を実に詳しく話していただけ、今までの久秀に対するイメージを大きく変えさせられました。

そして多聞城についての話しですが、まず中世の城とはいかなるものか
と言うところから始まりました。

中世の一般的な城は、石垣はなく土塁で囲まれ,板葺き、板壁柱は掘っ建て柱でした。
では中世の城である多聞城はどうか?

宣教師の本国への手紙から多聞城はそう言った従来の城とは全く違ったものであることを
解き解いていきます。
いわく「城壁は白く明るく輝く白壁であり、屋根は美しい黒瓦で覆われ、その庭園は見たことがないほど美しい、世界中でこのように美しい城はない」

この言葉を裏付ける多くの資料、さらには考古学的な観点からは
発掘された瓦などの話しがありました。

そして地勢的にみると、その城は多聞山を中心に東に善称寺山、西に聖武天皇陵の丘陵を
巧みに取り入れ前面に佐保川を抱き、興福寺そして奈良の町を眼下に収めるものでした。



しかしながらこの優美で且、戦略的にも優れた城は久秀が信長に打ち負かされたことによって
取り壊されることとなりました。
しかし、その素晴らしい城は、信長も認めていた証拠に、信長の京都二条屋敷に一部移された
ことが文献資料から明らかにされます。

多聞城がいかに優れた城郭であったかは、現代の学者によっても、「近世城郭の先駆け」
「安土城のモデル」と評価されています。


久秀は奈良にとっては従来大仏焼き討ちによって悪いイメージが定着していましたが、
最近では、久秀ではなく三次側のせいであると見直されていること、さらには
奈良町の発展にも久秀が大きく貢献したこと等
今回のお話を聞いて、久秀、多聞城に対するイメージが大きく変わらされ、
久秀、多聞城に大いに関心を抱かされました。




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