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11月の演奏会は何時もの通りというか、鉦鼓を叩いた。
そして、一応、音頭として、演奏会の最後に演奏される長慶子という曲を任された。
3年目にして始めての音頭。
最後が近づくに連れて心臓がドキドキして困った。
でも、前から音の出が心配な高麗笛じゃないし、
舞楽の音頭ではないからその分随分気は楽だった。
来年からはこの演奏会にも、駆けつけるのは難しいだろうなと思うと、少し感慨が沸いてきた。
思えば、普通の女子大生で終わるはずだった私が雅楽にであって、ほんとに色んな経験をさせてもらった。
今こうして直垂を着て笛を吹いてること自体が、
考えてみると凄いこと。
頭の中で色んなことを考えながら吹いていたらあっという間に曲が終わってしまった。
ああ、もう少し吹いていたい。
間近にせまったおん祭では悔いのないよう、頑張ろう。
 
次の週の日曜日、おん祭のための稽古が始まった。
配役表が皆に配られた。
一人舞の舞人は例年というか、私が知っているこの3年間ではまったく変わらない。
4人舞いも一人、2人入れ替わりがあっただけでほぼ固定したメンバーだ。
期待していたわけではないけど、ひょっとしてなんて、甘い希望も持っていたけど、まあ無理。
管方の音頭も決められ書いてあった。
これも、多少は望みは持っていたが、前ほど、
切望しているわけではない。
どちらにしろ、今年でさい後のおん祭、全力で頑張ろうと、深く決意をしていた。
と、最後の最後、おん祭の1番最後の曲である落蹲の音頭に私の名前があった。
それを見たとき、喜びより驚きの方が多かった。
まさか、私が音頭を吹かせてもらえるなんて・・
それも、最後の曲。
一呼吸おくれて感激が沸きあがったきた。
素直に嬉しい。
でも、不安がよぎった。
高麗笛だ。
果たしてちゃんと音が出るだろうか?
依然として高麗笛の音は安定しない。
うまく出る時と、出ない時があって、それの原因がわからない。
もし、本番で音が出なかったらどうしよ。
喜びの後から、不安感の方が増してきた。
その日の稽古は、そのことばっかり考えていた。
そして、案の定というか、不安が現実となって、その日の稽古ではうまく音が出なかった。
あせればあせるほど音が掠れる。
結局音頭の部分はすーすーという音しか出なかった。
楽頭の安部さんには、怒られてしまった。
「おいおい、本番そんな音では困るで、ちゃんと練習しとくだぞ」
「はい、すみません、ちょっと緊張しすぎたようです。」
「ま、緊張するのは無理ないけど、本番は頼むぜ、そのままやったら、音頭代えるで」
「ハイ、頑張ります」
とは返事したけど、ほんとは緊張のせいじゃない。
ここんとこ何ヶ月もまともに音が出ない状態が続いてる。
でも、高麗だけを吹いてる時は大丈夫なんだけど、龍笛を暫らく吹いた後は、突然音が出ないことがある。
どうしよう、本番に音が出ないと皆に迷惑がかかる。
でもせっかくのチャンス、逃したくない。
 
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