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社家は当初すべて中臣姓であったわけですが、やがてその区別の意味もあり、
地名を苗字化して、辰市郷に住む中臣氏は辰市家と呼ばれ、

大東家は、鹿島から随行してきた中臣氏が東家であったため
そこから派生して大東と呼ばれと考えられています。
同じく中東家もその住む場所から、大東家と区別して中の東と呼ばれた
と思われます。

千鳥家については、代々有名な歌人を輩出した家柄で「玉葉集」に入選した
和歌にちなみ「千鳥」としたと伝えられています。

その他の社家も各家の位置や方角にちなんで、
奥・西・中・南・北・上・辰巳などの名字がつけられています。

 

大東・辰市の両家が当初正預と呼ばれていたわけは、
藤原氏の氏の長者から、春日社を、お預かりして日常の社務に従事する役職で
あることを意味しています。

神主も神社の神官という一般的な意味とは少し違い、
当初は春日祭に際して、神祇官から勅使と共に派遣され
天皇の宣命を奏上する役儀でしたが、
後に常大中臣氏が常勤の神主に任命されたのが始まりです。


このように由緒ある社家ですからその社録も高く、江戸時代には
神職としての雑収入を含め100石を超えていたと考えられます。

従ってその屋敷も、泉水なども備わった立派な物でしたがそれらすべてが、
明治の官社化で多くが離散し、明治で19軒を数えた社家屋敷も
その多くが空き家となり、大正時代にはすでに、滅びの美の象徴である
崩れかけた土塀を残すのみの廃墟となってしまい、
今はわずかに数軒が
昔の面影をとどめているにすぎません。
前回の写真は今も尚昔の社家の面影を残す数少ない屋敷のひとつで
今は森精機の所有となっています。
 

 

その他の屋敷跡の多くは現在は空き地のまま放置されています。

私は長らくこれらの土地の存在を不思議に思っていましたが、
先日ふとしたご縁で、代々の春日の禰宜家の子孫の方にお話を聞く縁があり、
これらの土地が、多くは旧社家屋敷であり、子孫が相続したものの、
特別風致地区のため建物を建てることがかなわず、利用もできにないため
そのままになっているということを聞き、納得した次第です。

 

このように多くの社家が神社を離れましたが、大東・千鳥の両家では
戦後も尚引き続き春日大社で神職を務め、先代は権宮司まで勤められました。

私は、お二方とは面識もあり、今にしてもう少し昔の話を聞いておけば
と後悔しています。

先代の大東延和氏は奈良県庁に奉職された後、
春日大社の参事として多くの著作を残され、
私のこの文章も多く氏の本を参考にさせていただいています。

また先代の千鳥権宮司の息は現在も春日大社で奉職され
千年を超える家職を守っています。
なお、枚岡神社の宮司で前春日大社権宮司の中東氏については、
ご本人にお聞きしたところ、社家の中東家との係わりはないとのことでした
 

その他社家ではありませんが、春日の旧禰宜家である梅木氏は
現在は漢国神社をはじめ数社の宮司を兼任され、
大宮氏は氷室神社の宮司と、神社は違えども神職を続けておられ
ていて、奈良の悠久の歴史が今も尚,息づいていることに感銘します。

 
 高畑大道にあちこち見られる空地は かっての社家屋敷が
 明治で廃絶した後、手つかずで放置されているものです。

 

 

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春日大社の歴史等、学ばせていただきました。
春日大社の歴史を学ばせていただきました。現在、春日大社には祖父の弟の長男、が禰宜をやっているので関心があり色々と調べていたのですが勉強になりました。
千鳥祐宣 2017/01/24(Tue)03:39:18 Edit Top
Re:春日大社の歴史等、学ばせていただきました。
千鳥さま
 コメントありがとうございます。
 私は奈良大学の卒論で春日大社の歴史を取り上げました。
 社家については、その関連で少し触れた程度で深くは掘り下げていません。
 こちらこそいろいろ教えていただきたく思います。
 gmailにメールを差し上げましたが、エラー表記になりました。
 できれば連絡いただきたく思います。
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