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アカダマ会では春日大社の成立について松田氏を講師にお迎えして
4回目となる話でした.
春日社の成立に関して最大の課題は春日山、御蓋山の信仰と王権との係わり
と言えます。
 
 
成立時期については確論はまだありません。
社伝による神護景雲2年(768)が論点の一つです。
 
多くの先達の研究により、それ以前における春日の地における神祀りが、
春日社につながるものか否か論争があります。
松田氏は春日の地を支配していたのが安倍氏であり、そのことが社伝による
移譲の話しにつながると考えられています。

桜井市アベ山周辺には7世紀前半の谷首古墳を嚆矢とし、
7世紀中ごろの艸墓古墳、そして7世紀後半の文殊院西古墳に至る古墳を
築いた古代氏族の候補としてアベ氏があります。

一方でアベ氏の本拠地として奈良市菅原の疋田も候補に挙げられています。
元明天皇が遷都のための巡察では疋田の地に滞在した記述があります。
12世紀ごろに成立した「東大寺要録」には御蓋山安倍氏神社という記述があり

 平城遷都以前にはこの地を安倍氏が支配していた可能性が伺えます。
当時の政界の中枢には右大臣阿部布施朝臣御主人(みうし)がおり、
造平城京司長官には安倍引田朝臣宿奈麻呂が任じられています。
 
松田氏はこの地一帯を支配していたのが安倍氏であり、藤原氏が談合によって
この春日の地を安倍氏より譲り受けたと推論しています。
社伝として伝わる、春日の神と地主神との土地交換の話しも、
これを反映しているというわけです。
 それ以前の御蓋山に対する祀りが南からおこなわれていたのは
 私は、南からの御蓋山に対する神祀りは、和爾氏、またそこから派生した春日氏固有の
祀りであり、所謂天神地祇を祀るもので、西から東に向かい御蓋山を祀る考え方は
平城遷都以降であると考えます。

最近次の気になる記事を見つけました。
 中臣殖栗連「続日本記』天平11年(739)正月13日条に、
「无位中臣殖栗連豊日を従五位上に叙す。」

延喜式 神名上に殖栗神社大和国城上郡現在は、桜井市上之庄。

中臣殖栗連は鹿島から神のお供をしてきた鹿島の神官で
春日の社家の祖と言われる氏族です。
社伝によれば神護景雲2年(768)に奈良に鹿島から来たことになりますが、
この記事では天平11年(739)にすでに桜井に居たことになります。
さてまた難しい問題です。

アカダマ会の話では、さらに春日離宮についての考察を聞きました。
これも最近手に入れた資料で春日寺の存在を知り、今回の話しとの繋がり
に興味がひかれます。

さらに、春日社の創建年次について、これも最近法華寺とのつながりが
あるのではないかと考えるようになりました。
法華寺は藤原不比等の旧邸宅であり、光明皇后宮が転じたものです。
天平勝宝7年(755)「春日社四所」を紫微中台にまつり宮神の列に入れる
という記事があります。
不比等の第4子である宇合は常陸の国守を務め安房、下総、上総の按察使に任じられています。
唐にも派遣され、文の道にも優れ、常陸風土記は彼の手にかかるのではと言われています。
その宇合が常陸在任中に鹿島の神の威光に触れ信奉するようになり、
奈良の地に勧請し、それを光明皇后に托したのが、後の四所明神につながり、
後に法華寺に転じた後、称徳天皇の手によってこの四所明神が春日の地に移され
春日社となったのではないかということです。

春日社の創建についてはまだまだ確論がなく、あらゆる面からの考察が必要であることを
あらためて痛感させられた今回のアカダマ会で、是非とも今度は春日寺跡をたずねて
見たいと思っています。


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