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 今回のアカダマ会は、まず春日寺と思われる遺構を見ることで、
香薬師堂については場所が離れているので、
事前には行くかどうか決めていませんでしたが、
午前中に春日寺遺構、白毫寺、宅春日神、社新薬師寺、鏡神社と見て回って
午後2時。
皆さんに意見を聞いたところさすが奈良ソムリエの皆さん、
行きましょうということで、それから柳生街道に入って香山堂を目指しました。
ただ正確には場所はわかっていませんでしたので首切り地蔵を過ぎてから
かなり柳生街道をさ迷いましたが、ようやく高山神社にたどり着きました。


高山神社前の水船。正和4年(1315)奉納
「東金堂施入高山水船也」との銘文があります。
当時、興福寺は東西両金堂衆に春日山を管理させており
この辺りは東金堂衆大乗院門跡の管理するところでした。
この高山神社の近接して式内社の鳴雷神社があります。
その前には猿沢池に采女が身を投げた不浄を嫌って
猿沢池の主の竜王が春日山の高山に住処を定めたという竜池があります。
 
 
そこからも尚あちこち行きつ戻りつしながらようやく
それらしき場所にたどり着き、なお尾根を上りきったところ
にやや平らな場所があります。
 

苦労した分ようやく香山薬師堂跡を見つけたときは喜びも大きかったです。

この辺りが堂の建物があった場所です。
近くからは奈良時代初期の瓦が見つかります。
 
香山堂に関してはこのブログで3月16日に書いていますので、
今回は書きませんのでそれを参照にして頂ければと思います。

さて今回のフィールドワークを通じて考えさせられたことは、
この香山堂と言い、新薬師寺、春日寺が何故かくも衰えてしまったか?
奈良大学で論文指導にあたっていただいた先生に何度も言われましたが
史料の裏付けのない論文は小説だということ。
その意味で私の見解は小説ですが、桓武天皇の無作為の作為ということです。

奈良時代は天武系、平安時代に入って天智系に変わったという説。
これは私に言わせると、桓武天皇のプロバガンダ、あるいは当節はやりのフェイク
に乗せられた結果と思います。
このことは折に触れ何度も書いていますので繰り返しになりますが、
奈良時代は天武系というのは全く当てはまりません。
まず天武天皇の長子であり、壬申の乱の功績者である高市皇子が
母の生まれが尼子娘という地方豪族であるためという理由で皇位についていないこと。

同じく、天智天皇の娘太田皇女から生まれた年長の大津皇子が皇位につかず
鵜野讃良皇女の子草壁皇子が皇位についたこと。
この2点だけでも明らかですが、奈良時代はこの持統天皇の血筋につながるものだけが
皇位についてます。
天武系だから行為を継いだのではなく持統天皇の血を引く皇子のみが
次々と皇位を継いだ持統系というのが正しいのです。

それではなぜ世に天智系という言われ方がしたかと言う理由は、
桓武天皇の生まれの卑しさ故、自らの時代は前の奈良時代を引き継いだのではなく、
全く新しい新政権であると言うアピールをしたからにほかなりません。
それが天智系の復活であるというわけです。
丁度トランプ大統領がオバマ大統領の事績をことごとく否定するように、
桓武天皇は奈良時代の歴代天皇の事績を無視していきます。
遷都の理由の一つが南都の寺の影響を逃れるためと言われますが、
むしろ南都の寺の勢力を弱めるためと言い換えられると思います。
結果、藤原氏の氏寺である興福寺や春日大社のような有力な豪族や勢力の
後ろ盾のない寺院は衰えていきます。
こうして光明皇后ゆかりの香山堂、新薬師寺また聖武天皇に関わりのあったと思われる
春日寺は寺勢が衰えるに任されます。
白毫寺は天智天皇の第7皇子であり、桓武天皇の父である志貴皇子の山荘跡を皇子の没後、
霊亀元年(715)に元正天皇の勅願により寺院として創建されと言われますが
その白毫寺ですら決して例外ではないようで、平安時代に入って保護されたという
気配はありません。
かくして、香山堂や春日寺も荒れるに任されたと言うのが私の考えです。
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