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奈良女子大の竹内 亮氏の研究によると、
春日寺に関する資料はわずかしかなく

1「日本文徳天皇実録」

延暦7年(788)に護命という僧が
涅槃経の請説を行ったという記事。

2 東大寺薬師院文書に出てくる土地の売券記事に
  春日寺田に関する記事が見れるこの
2点のみです。

1の資料により春日寺が8世紀末にある程度の寺格と規模を有する
 寺であった事が確認できます。

2の資料により春日寺が存在した場所が特定できます。

春日寺田地は添上郡春日郷「春日里」京東55里の地にあったと考えられ、
古代において「春日」と称された土地の中心部にあたると考えられます。


古代の寺地の多くは寺辺に寺地を取り巻くように存在したことが知られています。

一帯には「堂の前」、「ノボロウ」(登廊?)、「金芝」(金堂ノ芝)、「御門」、

「ブタイ」等、寺院伽藍を想起させる小字名が分布していたとのことです。

 現在もその地には土壇跡が確認でき竹内氏が
2007年に
現地調査した時点でも多数の瓦辺を確認したとのことで、
その瓦から建物は奈良時代のものと推定され、
 中世に至るまでに火災によって廃絶したものと推定されています。

 

『続日本記』

元明天皇は天平勝宝2(750)2月「春日酒殿」に行幸し、
 遣唐使の帰船と共に来日した唐人李元環に外従5位下を授けている。

酒殿は酒を醸すための建物で、これが離宮に付属していたものか、
春日寺の施設かは不明で、
春日社創設以前の春日社の存在を示すもか
とも考えられています。



 

『続日本記』

 光仁天皇の皇女酒人内親王、母は聖武天皇の皇女井上内親王が
 伊勢斎王
に卜定され、春日斎宮に権居した。という記事があります。

春日斎宮とは斎王が伊勢に下向する前に潔斎するためのが施設で、
この場所が果たして春日寺?あるいは春日離宮かは不明。

又「性霊集」の酒人内公主遺言に春日院において77日の経を
転読すべき場所としてみえる。

この春日院が春日寺と同じなのかは議論がありますが、
酒人内親王は志貴皇子の子である光仁天皇の子であり、
しかも聖武天皇の皇女である、井上内親王の子でもあることから
高円離宮でも春日離宮でも関係は深い人物です。


前置きの方が長くなりましたが、今回の目的地は高円高校の西側の
田が広がる場所です。
遠く御蓋山が北に臨まれますが、何時もの西から東を見た風景と違い
御蓋山の山容がはっきり見て取れ、古く和爾氏を始め古代の氏族が
南から拝礼した理由が感じ取れます。
そして従来飛火野を中心に考えていた春日野というイメージが、
既成観念にとらわれていたことも実感できました。
この場所からは遥か平城宮が一望でき、風光明媚な高燥の台地で
如何にも離宮が置かれたことが納得できる地域であることが肌で感じられます。

問題の土壇は右手前の草が茂った場所です。
予備知識がなければ何の変哲もないただの土の盛り上がり。
この場所が古代の寺院跡などとは想像もできなかったでしょう。

別の角度からで奥の叢です。
この場所に古代瓦が散乱しています。
 
この場所が奈良時代の何らかの建物の土壇であることは間違いありません。
ただこれだけで、直ちに春日寺跡と断定するには資料が不足で、
これからの研究を待たなければいけません。
しかし多くの文献がしめすようにこの御傘山の南の春日野台地が
聖武天皇、志貴皇子とゆかりの場所であり、いかにも離宮が置かれるに適した
場所であるという確かな実感は得ることができました。

我々は次の目的地、香山寺跡を目指します。

 

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自己紹介:
奈良市にあった喫茶店『可否茶座 アカダマ』の元マスター.2013年奈良大学通信学部文化財歴史学科を卒業。奈良まほろばソムリエ検定第1期ソムリエ取得。第1回小倉百人一首検定1級合格。
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