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アカダマ会の例会の翌日春日大社で東京理科大伊藤教授の講演がありました。
まず全国の主な社家町と社家住宅について。
京都の上賀茂神社、島根の出雲神社、三重の伊勢神宮、
広島の厳島神社、山梨浅間神社の御師町などの紹介です。
社家町そのものの歴史はもっと遡りますが、17-18世紀に
進展したが、現存する近世社家住宅は19世紀前半から幕末期の
建築がほとんどであるということです。
春日の社家町である高畑は建治2年(1276)には存在し元禄2年(1698)
には禰宜町としてご赦免地となり家数80軒すべてが禰宜屋敷であると
記録にあります。
その中で藤間家住宅は高畑町にあって18世紀にさかのぼる
古式を留めた社家住宅の空間構成が良好に残された唯一の歴史的
建造物であり、全国的に見ても稀有な存在であるとのことです。
さらに明治の国家神道による旧神官免職の後も住み続けられたことで
その住環境は現在まで継承された貴重な存在であると指摘されました。

話は違いますが、私の友人から高畑はかっては遊郭があったそうだと
言われ、いったいどんな本にそれが書いてあるのか聞いたところ、
光文社文庫『奈良の旅』で、著者は松本清張・樋口清之氏でした。
松本清張氏はフィクションの人ですから何を書いても自由ですが
樋口氏は考古学の泰斗。
その方が書いてあることは真実と受け取られかねません。
社家町と門前町は大体において別の場所にあるのが普通で、
そのことは、伊藤教授も講演の中で指摘されていました。
 高畑は社家町であり、春日の門前町ではありませんが、
樋口氏は両者を混同し高畑が春日の門前町であり遊郭が栄えたと
書かれており、これは全くの誤謬です。
そのことは、はっきりとここで指摘しておきます。
さて余談が長くなりましたが、鎌倉時代から社家町として栄え、
明治以降はその立地と景観が醸し出す雰囲気で多くの文人が魅了された高畑。
そして現在唯一の現存する根宜屋敷である藤間家を保全し、
高畑の独特の景観を後世につなぐため、一般社団法人高畑トラストが設立されました。
現在賛助会員・寄付の申し込みを受け付けています。

お問い合わせはEmil   shingosakuma@gmail.com 携帯08066366771



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